太宰治『愛に生きる言葉』

本屋に立ち寄るのが好きだ。本が呼んでいるってこのことでしょう、手に取り1分で「買おう」という決断に至る。この本は太宰治の作品から「人生と芸術」「愛と苦悩」「生と死」というテーマのもと、文章を抜粋してる。このテーマは私の追求する、どんずばな道。避けては通れない。太宰の痛烈までに、自らをさらけ出し、自分と向き合う言葉の羅列は、私には汚い部分さえ美しく見えます。文豪という人生を選んだばかりに、その職に自らを生け贄にして捧げ、もしかしたら本当の自分は純粋な男だったのでは・・・と勝手に思ってしまった。私も変人と言いつつ、家庭ではいい母を体裁よく演じている(演じきってないけど・・・)この二面性が離れれば離れる程、「自分」という奴が分からなくなるのです。
「愛」にはいろんな「愛」があり、愛の量、愛の質などによっても変わってきます。
愛し過ぎると見返りを要求するし、質が悪いとDVになったり束縛しようとしたり。
溺愛、博愛、慈愛、情愛、貧愛・・・・言葉にもかなりの愛の形があります。
言い過ぎかもしれないけど、人は死ぬまでの間全て「愛」について勉強をしていると思っています。名声や富の為ではなく、死に際は「愛とは・・・」の問いにどこまでアンサーできたか?そして、私は「愛することができたか・・?」勉強と実践、この交互を繰り返し人は完成形を目指し、生き抜くのだと思います。
この本の中で一番好きな文を抜粋しますね。


まっすぐに歩いて行こう
この道は、どこへつづいているのか。
それは、伸びて行く植物の蔓に聴いたほうがよい。
蔓は答えるだろう。
「私は何にも知りません。
しかし、伸びて行く方向に陽が当たるようです。」
さようなら


                   「パンドラの匣」より

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by harico_couture | 2012-08-16 15:12 | 本・映画

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