いつも「幸せだな〜」と思うのは、お仕立てする人を思い浮かべながらデザインから縫製まで全て1人で作って、それをお客様にお届けしてその感想を聞けることです。どんな有名で才能があるデザイナーでもここまでやってる人はホンノ僅かな数ではないかと思います。デザインの段階でお客様との行き交うイメージははっきり言って「ぼんやり」したものです。「空」といえば「空」です。しかしワクワクした何かは「有る」といったもの。それを具現化するのには、行き交うイメージをお客様以上にはっきりとした輪郭を描かなくてはなりません。。。。1つのパーツを決めるのにも、ロッククライビングの「尖り」に自分の命を預けるように、祈りを込めて作っていきます。繊細にかつ大胆な作業です。失敗しても取り戻してやる!くらいの強さも必要です。そこにはロマンも健在していて、制限のある世界にも見えますが、実は自由もあったりします。お洋服の世界は本当に深く、広く、自分のやってることはホンノ薄っぺらい上辺だけのことで、まだまだ深く潜ろうと思えばいくらでも潜れるし、遠いところまで行こうと思ったらいくらでも遠くに行けます。でも、自分の技量、体力を考慮しながら自分の限界までしか泳ぐことは出来ません。その中でも自分がお客様に届ける、つまりは『ゴールが見えている』といったご褒美は、得意稀なコト。幸せな仕事をさせて頂いているということになるのです。
そんな大それたことを書きつつ、今回のコートは至ってシンプル。私にとってのお客様へのロマンは『裏地』かな?(なんだ、それだけ?っておもいますよね。笑)お客様のイメージカラーと表生地とのバランスで、「この色!」とトキメイタ。デザインもボタンも、お客様のイメージにピッタリな上に、裏地の色で遊んだ感じなのです。・・・作った人にしか分からない感覚かもしれない。そう思ってたらお客様から「裏地に色がいいです」とコメントを頂きました。やっぱり、通じてくださると思ってました!幸せを感じました〜♡


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