予告を見た時、ラザロが「ハルトだ!」と思いハルト見たさに行った映画です。
聖書をモチーフにしたこの映画は、1980年代にイタリアで実際にあった詐欺事件を盛り混んでありリアリティーもあるのですが先入観なしに見ると、一体この時代設定はいつなんだろう???とラザロの存在を際立てて不思議な感覚に誘われます。ラザロは両親も知らず、あるコミュニティの農夫として大家族の中で暮らしています。ラザロの存在は、一番の働き者であって1番低い身分として扱われていますが、当の本人は誰かに与えることを惜しまない。そんな中、ラザロたちを搾取した側が捕まり農民たちは解放され町に住みだすのだが、ラザロだけ時空を越えて後から皆を追う。自由はないが大自然に囲まれ仲間と汗を流しながらの労働する村の生活と、人を騙しお金をふんだくるしか稼げない町の生活の対比。奪い取った食事はポテトチップスだったりする、そこでラザロが玄関先に生えている雑草が食べれることを告げます。人々は「俺たちの周りにこんなにも宝があったとはな!」と感激。カメラはグンと引いて、ゴミだらけの道沿いを映すのだがラザロの言った雑草も映る。ゴミと雑草の対比もまた鮮烈だ。この映画ゆったりとカメラを回し、風景もまた美しい。昔見たフェリーニの『道』を彷彿させる。昨今では珍しい上質でクラシックな映画。チクっと刺す棘のようなモノと汚れのない美しいモノが混在するかのようだ。上半期No.1になりそうです!

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